2014年ISOEアジアALARAシンポジウムが、2014年9月23～9月25日に韓国の慶州市で開催され、日本、韓国、米国及びISOE事務局から117 名の参加があった。

 全部で19編の論文が発表された。韓国からは、原子力発電所の事故時における放射線管理、原子力発電所における被ばく低減化策、放射性廃棄物管理および韓国内における使用済燃料輸送について発表が行われた。
 ISOE事務局からは、ISOEの活動計画および原子力発電所における被ばく線量の推移に関するデータベースについて報告された。
 日本からは、アジア技術センターの活動概要、原子力発電所における被ばく低減化策、およびアジア技術センターの新しい枠組みについて発表が行われた。

 発表論文の中から、韓国水力原子力発電会社（KHNP） のハンビット原子力発電所のDong Ki Yun氏「廃棄物量の減少のための鉛ベストの再利用によるコスト低減化および効率向上」、東京電力の高平氏「福島第一原子力発電所における放射線防護管理および事故後の対策」が、優秀論文賞を受賞した。受賞者は、ブラジルで開催されるISOE国際ALARAシンポジウム（2015年5月予定）に招待される。

 
シンポジウムの最終日である2014年9月25日に、KHNPの新月城（シンウォルソン）原子力発電所および韓国原子力環境公団 （KORAD）の低・中レベル放射性廃棄物処分施設の視察が行われた。

発表内容

基調講演

タイトル	発表者	発表内容
同意を得た被ばくに関するもう１つのカテゴリーが必要か？	漢陽大学校, 韓国 Jaiki Lee氏		発表資料
放射線防護システムの進化：倫理的な考察	KINS, 韓国 Kunwoo Cho氏		発表資料

セッション1

タイトル	発表者	発表内容
ISOEプログラム及び原子力発電所での線量傾向に関するデータベースの概要	ISOE事務局, OECD/NEA Halil Burcin Okyar氏	概要	発表資料
原子力発電所の事故時における放射線保健研究院（RHRI）の役割	KHNP-RHRI, 韓国 Hajung Gong氏	概要	発表資料
アジア技術センターの新体制	NSRA, 日本 金田　健一郎氏	概要	発表資料
KHNPの被ばく線量低減計画	KHNP-CRI, 韓国 Sungjun Maeng氏	概要	発表資料
福島第一原子力発電所における放射線防護管理および事故後の対策	東京電力, 日本 高平　史郎氏	概要	発表資料
原子力発電所の定期検査期間中における作業者の個人線量評価のための最適なアルゴリズムの開発	KHNP-CRI, 韓国 Heegeun Kim氏	概要	発表資料

セッション2

タイトル	発表者	発表内容
＊放射線安全管理の現状	富士電機, 日本 松添　雄二氏	概要	発表資料
廃棄物量の減少のための鉛ベストの再利用によるコスト低減化および効率向上	KHNP-Hanbit, 韓国 Dongki Yun氏	概要	発表資料
作業者の被ばく管理最適化のためのKHNP ALARAセンタープログラムの開発	KHNP-RHRI, 韓国 Jeongin, Kim氏	概要	発表資料
泊発電所3号機の温態機能試験（HFT）からの亜鉛注入効果	北海道電力, 日本 佐々木　啓介氏	概要	発表資料
放射性廃棄物管理における放射線防護	KINS, 韓国 Byeongsoo Kim氏	概要	発表資料
蒸気発生器の保守作業用進入孔の開閉操作時の放射線安全管理	Seulgi Kim KHNP-Wolsong, Korea	概要	発表資料

セッション3

タイトル	発表者	発表内容
過去20年間のアジア技術センター活動の概要	原子力規制庁、日本 林田 芳久氏	概要	発表資料
古里原子力発電所1号機の原子炉容器上蓋交換時における放射線安全管理	KHNP-Kori, 韓国 Hanseok Lee氏	概要	発表資料
ハヌル原子力発電所3号機・4号機における蒸気発生器の交換	KHNP- Hanul, 韓国 Jeongseop Lee氏	概要	発表資料
使用済燃料輸送時の放射線安全管理	SunKwang, 韓国 Seokjun Yoo氏	概要	発表資料
異常状況下での既存の防護マスク性能の改善	KORASOL, 韓国 Daesu Lee氏	概要	発表資料
保守点検期間中における高度技術を利用した放射線管理	KHNP- Hanul, 韓国 Doowon Kim氏	概要	発表資料