令和6年度 2024年ISOE国際ALARAシンポジウム 2024年10月(京都 日本)



2024年10月1日~3日の間にかけて、京都府京都市でISOE国際ALARAシンポジウムを開催した。シンポジウムには、国内および海外(カナダ、フランス、ハンガリー、ルーマニア、米国)の電力事業者および規制機関等から41名が参加した。シンポジウムの最初2日間は講演形式で行われ、最終日の10月3日には日本原子力発電株式会社の「美浜原子力緊急事態支援センター」および「敦賀発電所」へのテクニカルツアー(視察)を実施した。シンポジウムでは、20件の発表が10のセッションの中で紹介され、会場での質疑応答や意見交換が行われた。2日目の最後に最優秀論文の発表があり、本年は以下の2件が選ばれた。

  • ・「放射線管理業務の高度化」東京電力HD(株)柏崎刈羽原子力発電所 上田 俊之介 氏
  • ・「浜岡原子力発電所の廃止措置における放射線管理」中部電力(株)浜岡原子力発電所 勝見 泰裕

2024年10月3日には、日本原子力発電株式会社「美浜原子力緊急事態支援センター」および「敦賀発電所」への視察が行われた。「美浜原子力緊急事態支援センター」では、事故収束活動時に使用されるロボット・重機・ドローンといった遠隔資機材、およびそれらの操作訓練のための施設や資機材輸送車両等を見学した。「敦賀発電所」では、最初に敦賀原子力館において敦賀半島における原子力開発や原子力発電の状況、同発電所の現在の状況、同発電所1号機の廃止措置、同発電所における安全対策について説明を受け、その後サイト内に移動し、同発電所1・2号機の原子炉建屋等を見学した。視察には敦賀発電所副所長や放射線管理部門担当者が同行し、設備の解説をするとともに、その場で参加者からの質問に対応した。視察終了後は敦賀原子力館に戻り、参加者と日本原電の間で活発な質疑応答が行われた。参加者は今回の視察内容に大いに関心を抱き、その結果に十分に満足していた。

発表内容

セッション1 「特別講義」

タイトル 発表者 発表資料
経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)における放射線防護活動の要点 OECD/NEA
ZHANG Ye氏
概要 発表資料

セッション2 「新規原子力発電所の設計・建設段階における放射線防護」

タイトル 発表者 発表資料
原子力施設の設計段階における放射線防護 CEPN, フランス
Caroline SCHIEBER氏
概要 発表資料

セッション3 「放射線防護教育・訓練」

タイトル 発表者 発表資料
テネシー渓谷開発公社(TVA)における放射線防護職員開発プログラム Tennessee Valley
Authority, 米国
Bradley BOYER氏
概要 発表資料
米国の運転中原子力発電所における放射線防護イノベーション導入のための上位管理者のリーダーシップ イリノイ大学アーバナ・
シャンペーン校
David W. MILLER氏
概要 発表資料

セッション4「放射線防護管理とALARA活動(パート1)

タイトル 発表者 発表資料
放射線管理業務の高度化 東京電力, 日本
上田 俊之介氏
概要 発表資料
北陸電力 志賀原子力発電所における放射線防護計画 北陸電力, 日本
大場 貴志 氏
伊方発電所3号機運転停止期間における放射線被ばく軽減のための活動 四国電力, 日本
柳井 祐美 氏
概要 発表資料
泊発電所におけるALARA活動および放射線管理上の運用について 北海道電力, 日本
松倉 吉彦 氏
概要 発表資料
九州電力におけるALARA活動について 九州電力, 日本
村上 孝史 氏
概要 発表資料

セッション5「放射線防護管理とALARA活動(パート2)」

タイトル 発表者 発表資料
敦賀発電所における作業従事者のALARA意識醸成に向けた取り組み 日本原子力発電, 日本
笹木 弘之 氏
概要 発表資料

セッション6「線源低減活動」

タイトル 発表者 発表資料
大飯4号機 亜鉛注入による被ばく線源低減効果について -1次冷却材への亜鉛注入による作業環境線量の低減効果- 関西電力, 日本
小川 友輔 氏
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島根原子力発電所2号機 亜鉛注入による被ばく低減対策 中国電力, 日本
南 智浩 氏
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セッション7「廃止措置段階における放射線防護」

タイトル 発表者 発表資料
原子力発電所の廃止措置段階における放射線防護上の課題 CEPN, フランス
Laure-Anne BELTRAMI 氏
概要 発表資料
福島第一原子力発電所における放射線防護の取り組み 東京電力, 日本
黒萩 真之 氏
概要 発表資料
浜岡原子力発電所の廃止措置における放射線管理 中部電力, 日本
勝見 泰裕 氏

セッション8「放射線防護と廃棄物管理」

タイトル 発表者 発表資料
チェルナボーダ原子力発電所:放射性廃棄物特性評価プログラム S.N. Nuclearelectrica S.A,
ルーマニア
Georgian-Viorel
TOBOSARU 氏
概要 発表資料

セッション9「ソースターム管理」

タイトル 発表者 発表資料
チェルナボーダ原子力発電所:ソースターム管理の改善と個人・集団線量の最適化 S.N. Nuclearelectrica S.A,
ルーマニア
Catalina CHITU 氏
概要 発表資料
CANDU炉の運転停止期間における放射性物質放出を通じたソースターム削減 Kinectrics, カナダ
Yury VERZILOV 氏
概要 発表資料

セッション10「関連設備・装置・システム

タイトル 発表者 発表資料
原子力検査のためのROVおよび写真測量法を用いた最先端3Dモデリング法 Deep Trekker, 米国
Andrew LAWRENCE氏
概要 発表資料
自動式放射線防護調査・漏出検査の進歩 RADeCO, 米国
Keith LOVENDALE 氏